1年目のカリキュラム

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1年目の授業はセメスター制ではなく、1年間を4期間に分けたモジュール制です。各モジュールでは比較的関連性の高い科目を集中して学びます。同一のビジネス課題(ケース・トピック)を同時に複数の授業で取り上げることもあり、学生が多面的な視点で問題を捉えれるように意図されています。
なお、Babsonの授業は随時更新されていますので、以降の紹介内容は現在のモジュール構成と異なる場合もあります。最新の情報については、Babson 公式HPもしくは在校生にお問い合わせ下さい。

Module 1
モジュール1のテーマは、"ET&A(Entrepreneurial Thinking & Action) Creating and Scaling Effective Businesses"です。財務会計, 統計分析, 戦略, アントレプレナーシップの4科目を学びます。アントレプレナーシップの授業ではビジネスアイデアの起想からビジネスプラン作成までのアウトラインを学び、その流れの中で他の授業内容も活かすことを意識されています。Entrepreneurは、クリエイティブに考え行動することと同時に、ビジネスプランを戦略的な観点から作り込み、財務予想や定量的分析などを通して妥当性を判断した上で選択肢を絞っていく理論的プロセスとの両立が必要と教えられます。アントレプレナーシップの授業は主に前者、財務会計, 統計分析, 戦略は後者のためのツールとして位置づけられます。
Module 1の最後には、実際にこれらの知識を使って6人程のチームで作成したビジネスプランを教授陣に対して発表します。ここで一緒に活動するチームはSLE(Signature Learning Experience) チームと呼ばれ、ビジネスプラン作成だけではなく、モジュール1、2を通して全ての授業のグループ課題やプレゼンテーションで協力することになります。その他、特徴的なこととしてはクリエイティビティのクラスがあり、学生たちは音楽、ダンス、詩、即興劇、小説、絵画等の芸術活動グループに振り分けられ、最後に作品をチームで発表します。自分のこれまでの殻を破る(="Get Out of your Comfort Zone")ことを促すためですが、皆個性を発揮し、発表も面白かったです。

Module 2
モジュール2のテーマは"Managing for Value Creation" です。このモジュールではミクロ経済、マーケティング、ファイナンス、ビジネス法を学びます。ミクロ経済では企業間の競争、合理的な顧客行動など一般的な競争条件を学ぶと同時に、マーケティングの授業を通じて競争から抜け出すための差別化・顧客価値の創造を学びます。ミクロ経済とマーケティングの教授による合同授業も行われ、ある新商品の導入において他製品との差別化や需要評価を両教授の観点で議論します。ファイナンスの授業内容はオードソックスなコーポレート・ファイナンスですが、理論よりも実務的な分析・評価スキルの獲得に重点を置いた授業が行われます。試験では短いケース形式の問題が出題され、会計の知識と合わせた実践的な分析スキルが試されました。ビジネス法の授業は実務家が講師として登場します。起業にあたっての会社形態の選択肢(パートナー形式、株式会社、個人事業など)のメリット・デメリット、人を雇用するにあたっての法律慣行、ブランドや知的財産などの無形資産価値の保護、新製品開発における責任範囲など、起業・経営にあたって考慮すべき法律上の論点を学びます。ビジネスでは戦略などに目が向きがちですが、経営者として必要な法的課題を認識するスキルの重要性に気づく機会となりました。

Module 3
モジュール3では、”Creating and Sustaining Organizational Effectiveness”がテーマです。具体的に学ぶ科目は管理会計、リーダーシップ、オペレーションとなり、これまでのモジュールに比べて事業活動の中身に近いトピックスとなります。モジュール開始にあたっては、Managing Talent Your Own and Others(MTYOO)という自身のリーダーとしての資質ならびに性格について、より深く理解するための集中講座があります。この講座は、学内のクラスメイト、教授だけではなく、前職場の同僚等からの360度評価といった形で、リーダーシップの資質や傾向について調査が行われ、今後、どのようにすれば組織の中で、最大限に自身の強みを発揮できるかを学びます。
リーダーシップは組織の中での意思決定、効率的な運営方法、組織構造のデザイン、成果主義とプロセス管理、組織の中での行動に関するクラス内でのロールプレー(交渉等の模擬演習)について学びます。管理会計は、新規戦略や投資の定量的な合理性の分析、新規事業立ち上げもしくは既存事業におけるプロジェクト実現可能性、高利益水準もしくは持続的成長見込みのある事業への投資、利益性を確保できるビジネスモデルの創造方法について学びます。 オペレーションは、ボトルネック分析などのフレームワークに加え、イノベーション管理、製品開発ならびにプロセスデザイン、グローバルサプライチェーンマネジメント・品質管理について学びます。特に、企業の成長において必要不可欠な効率的な意思決定や技術イノベーションの貢献について、深い理解を得ることができる有意義な授業です。
モジュール3ならびに続くモジュール4の特徴として、Babson Consulting Alliance Program (BCAP)という、学生による企業へのコンサルティングプロジェクトが実施されます。BCAPのメリットは、企業が抱える本物の課題について直接触れ、依頼人と課題解決者という関係の中でアメリカ流の交渉、会議、報告・連絡・相談方法などを学ぶことができるといった点にあります。また、本モジュールより選択科目の受講も可能となり、自身のキャリア形成に向けた専門科目の選択も始まります。

Module 4
モジュール4では"Growing and Creating New Businesses in a Globally Connected Environment"をテーマに学習を進めます。必須科目はテクノロジーとマクロ経済となり、事業環境に影響するマクロな要素を理解するための考え方を学びます。必須科目の時間が少なくなりますが、残りの時間はBCAPや選択科目に充てられることとなり、学生は変わらず忙しい時間を過ごすことになります。
マクロ経済学では、GDPの定義やマネタリーサプライ、マネタリーベースといった基本的な事項からはじまり、最終的には中央銀行の政策や原油価格などの変化が財・資本市場・為替市場にどのような影響を与えるかを考える枠組みを学びます。私が受講した当時、日本銀行の総裁が白川総裁から黒田総裁に代わったタイミングで、日本の金融政策が取り上げられる場合も多く、教科書的な話ではなく時事に極めて関連した話題について学びました。
モジュールの最後には1年間続いたBCAPの発表をクライアント企業の経営者を前にして行います。この1年間学習したことがBCAPを通じて統合され、ビジネスマンや経営者としてのしっかりした土台が構築されることが実感できます。